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日本語で楽しく交流できるロビーカフェ~国際おしゃべりサロン宮前~

宮前市民館のロビーでは、市民が気軽に集い、交流できる場として「カフェみやまえ」が開かれています。カフェは様々な市民団体によって開催されています。
今回は、そのひとつ「国際おしゃべりサロン宮前」(代表:鈴木裕子さん)の皆さんにお話を伺いました。
(取材日 令和6年2月2日 レポーター:山田知子)


地元に住む外国の方と触れ合える場

「国際おしゃべりサロン宮前」では、近隣に住む外国の方々などをスピーカーとして招いて、出身地の身近なことを日本語で話してもらっています。
日常の様子など、ガイドブックでは知ることの出来ない、活き活きとした情報を知ることができます。
毎回、20名ほどの方が参加してくださり、スピーチの合間でも、話の後でも活発な質問やおしゃべりに花が咲いています。

会場の様子

きっかけは日本語学級でのボランティア活動

私たちは、以前市民館の日本語学級で日本語を教えていたボランティア仲間なのです。
2012年ごろに市民館から「カフェをやってみないか」というお誘いをいただき、検討を重ね、2013年に結成されたカフェみやまえの一つとして国際おしゃべりサロン宮前をはじめました。
最初は日本人メンバーが日本の風習や文化を紹介したり、外国人メンバーがお国の言葉を教えたりしていましたが、
現在のスタッフは9人で、この内タイの方2名、韓国の方1名です。外国人の方は、帰国などの事情があるので、ちょくちょく入れ替わります。 

カフェの様子をのぞいてみると・・・

取材当日(令和6年2月2日)のスピーカーはロシアの女性でした。
「子どもの頃、国はソビエト連邦でした。学校や病院はすべて無料でした。森や川で遊んでいました。学校へはスキーで通いました。ソリ遊びもしました」
その他、日々の食卓や農産物の話など、日常のお話はとても興味深いものでした。
また、日本の印象について参加者から聞かれ、「日本は道路がとても綺麗ですね。デコボコがないし、ゴミも落ちていません。それから公衆トイレも清潔で気持ち良く使えます」と答えていました。
終了後もスピーカーを囲んで話す人々や、初めての参加者同士が「楽しかったですね。またここで会いましょうよ」などと交流する姿が見られました。

日本語学校の生徒さんと参加者のみなさん

これまでの活動では印象に残るお話がたくさん!

◎日本ウクライナ友好協会の方の話(令和4年7月1日)
ウクライナの自然や教育のお話をクイズ形式でしていただきました。
「戦争が終わって、平和になったら、今度はウクライナでおしゃべりしましょう!」と締めくくられた言葉が印象に残っています。
 
◎ウズベキスタンの方の話(令和5年6月2日)
「第二次世界大戦後、日本人がソ連の捕虜となり、ウズベキスタンで中央アジア最大の劇場建設に従事した。1966年の大地震の時にその建物だけが崩壊せずに残り、日本人の技量が高く評価を受けた」というお話をしてくださいました。
その時、偶然にも会場に捕虜だった方の息子さんがいたのです。
会場に居合わせた人達は大変驚き、感動しました。
 
◎インド出身の高校生のお話(令和5年12月15日)
この方は宮前平中学を卒業しており、高校生になって、最近までオーストラリアに留学していました。
「紫外線避けのため帽子を被らなくてはいけない」というオーストラリアの学校のルールのことや、「ブリスベンでは小学校で日本語を習う」など、留学中のことを話してくれました。
また、懐かしいインドのスナック菓子を持参して、会場の皆に振る舞って下さいました。
 
◎タイの方のお話(令和5年11月17日)
タイでは旧暦12月(現在の10月または11月)の満月の夜に、ロイクラトンというお祭りがあり、その時に川に流す花灯篭を実際に作ってきてくれました。バナナの葉を組み合わせて形を作るそうです。
お祭りの写真は鮮やかな色彩で、とても印象的でした。日本人スタッフもタイの衣装を着て一緒に踊り、楽しい気分になりました。
 
◎最年少スピーカーは小学生
アメリカ生まれ、アメリカ育ちの子で、学校の話、おやつの話などをしっかりと堂々と話してくれました。

タイのダンスを一緒に踊ってみました

コロナ禍中は様々な努力がありました

新型コロナウイルス感染症が第5類に移行するまでの間は、人数を制限したり、飲食をやめたり、フェイスシールドを使ってみたり、様々な条件付きで開催してみましたが、すぐに中止に追い込まれてしまうなど、通常通りに開催するのは難しかったですね。
そこで、開催出来ない間に、これまでの活動記録を残したいと考え、8年間の活動をまとめた冊子を作成しました。
不慣れな作業で苦労しましたが、出来上がってみると感無量です。

コロナの時の様子
記録冊子(宮前図書館で閲覧、貸し出し可能。入手希望の方は同会にお問合せ下さい。頒布価格500円)

活動を通して得られる学びとやりがい

勉強会やワークショップを行って、交流などをテーマにした講習を行っています。参加者は一般からも公募します。交流の仕方、話の進め方、知り合いの作り方 などを専門家から学ぶことができます。このような学びは日々の暮らしにも役立っています。
毎回沢山の方、特に高齢の方々が来てくださいますので、居場所作りに寄与できているかなと嬉しく感じています。
スピーカーは日本語を勉強している方ですが、日本語でスピーチをすると、話すことに自信が持てるようになるそうです。
スタッフも、やりがいや生きがいを与えていただけるので、この活動に参加して本当によかったです。

スピーカーとスタッフの皆さん
終了後もおしゃべりが続く

鈴木裕子代表のメッセージ

外国人が孤立することなく、また、日本人も引きこもることなく、お互いが気軽に「こんにちは!」と声を掛け合える場の提供ができればよいと思って開催しています。
スピーカーさんやお客様から刺激を受けて、私達スタッフもいつも元気をもらっています。
地域の方々の居場所として定着してきているので、これからもできるかぎり続けていきたいと思っています。そのための資金をどのように獲得していくかは、大きな課題ですね。知恵を絞って、力をあわせて、楽しく続けていきたいと思います。

鈴木裕子さん

取材を終えて

 お話の内容が日常的なことだったので、参加者同士も自然に会話がはずみ、和やかな雰囲気でした。知らない者同士が感想を述べ合い、「またこのカフェで会いましょうね」と握手しておられました。私自身も、また参加したいと思いました。

国際おしゃべりサロン宮前

原則、毎月第1・第3金曜日(午後1時〜3時30分)に開催。参加費は100円で、美味しいコーヒーと茶菓がいただけます。
ホームページ:https://www.instagram.com/kokusai_oshaberi_miya/
問合せ:Kokusai_oshaberi_miya@yahoo.co.jp


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