連載 『まちのひろば探検隊with新しい生活様式』 第3話 ~オンライン青空かみしばい~
この記事は、2020年6月4日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。
気が付くと地域から世界までが集う場に ~オンライン青空かみしばいインタビュー~
「かもしれない」を目指して。
新型コロナウイルス感染症の影響により、集まることが難しい今、
―だからこそのつながりができるかもしれない―
そんな「かもしれない」を目指す「まちのひろば」の新たなチャレンジを連載します。
第3話は、紙しばいや もっちぃさんが開催する「オンライン青空かみしばい」。
高津区を中心に、紙芝居にバルーンアートなどの+αを加えたパフォーマンス型の紙芝居を開催して、多世代に人気のあるもっちぃさんが、オンラインによる新しい集いの場を提供しているという情報を入手。探検隊は早速、「オンライン青空かみしばい」に潜入し、その後オンラインインタビューを行うことに成功しました!
一度にこんなに色々な紙芝居を味わえるなんて!~オンライン青空かみしばいへ潜入~
探検隊が潜入したのは第3回と第6回の「オンライン青空かみしばい」。
それぞれ開催前に約30人の定員を満たし、申込締切になるほどの人気ぶりです。
オンライン会場に入場すると、まずは主催のもっちぃさんから事前説明があり、早速オンライン紙芝居が始まります。
オンラインのイベントでは、発表者以外の音声を切ることが多いのですが、「オンライン青空かみしばい」は基本的には参加者も音声をONにして、参加者の声を演者にも届けるスタイルで行います。
潜入した両日ともに紙芝居師 梅ちゃんによる「ラフターヨガ」からスタート!
顔と体を存分に使って、参加者と一緒に笑うエクササイズです。
ちょこちょこ梅ちゃんの変顔?も入り、会場全体が笑顔と笑い声によりやわらかい雰囲気に。
後から知ったのですが、梅ちゃんはなんと全国の紙芝居大会の優勝者とのこと。す、すごい!!!
ここから、紙芝居が始まるのですが、メンバーが本当に多様なのです!
実はこの「オンライン青空かみしばい」は、参加者だけでなはく演者も併せて募集していて、超一流の国内外のプロの紙芝居師から初めて紙芝居を披露する方まで、誰でも演じることができる場として開かれているのです。
潜入した第3回目は、ペルー人の紙芝居師 ペペさんによる日本語の紙芝居と街頭紙芝居芸人 三ツ沢グッチさんによるオリジナル紙芝居の二組。
第6回目は、お坊さんの紙芝居師 山添真寛さんによるダイナミックなコミカル紙芝居に親子の紙芝居屋 ゆうことぴっぴさんによる可愛い紙芝居。
さらには、江戸曲独楽の米屋八兵衛親方による独楽芸。そして、トリにメキシコの人形芝居師 ロレンツォさんによるメキシコ語のオリジナル紙芝居の四組。
潜入した2回だけでもこの多様性。
どの紙芝居もとても楽しかったのですが、特に度肝を抜かれたのが、人形芝居師ロレンツォさんによるメキシコ語のオリジナル紙芝居。
メキシコの劇場と思われる場所で披露するオリジナル紙芝居を見れて、しかもその場で声援を届け、さらに質問もすることができるのです!質問は主催者のもっちぃさんや参加者の方が間に入って訳してくれます。
距離して約10,000㎞も離れているのにつながることができる。これはオンラインでしか味わえません。
各紙芝居に見入っていたら、あっという間に終演。楽しい時間はあっという間に過ぎるというのは、まさにこのことですね。
最後にふと参加者を眺めてみると、小さなお子さんから高齢者の方、そして外国の方も一つの場に集まっていました。
地域や国境を越えて世界の方々が気軽に集うことができる場。
探検隊はオフラインの紙芝居にはない新しい形を「オンライン青空かみしばい」で見つけました。
非日常を届けたい!~主催者もっちぃさんオンラインインタビュー~
余韻に浸る中、続けて、主催者のもっちぃさんに突撃オンラインインタビューをしました!
―こんにちは!「オンライン青空かみしばい」、参加者も演者も笑顔いっぱいで盛り上がっていましたね!どうして始めようと思ったんですか?
「こんにちは!これまで、川崎市内を中心に様々な場所で多世代が楽しめるようにバルーンアートなども取り入れた参加型の紙芝居を開催してきて、4月には溝の口駅近くの久本薬医門公園で開催予定だった「高津さんの市」の中で、高津区と協働で「青空かみしばい」を行う予定でした。この「青空かみしばい」は参加者と演者ともに年齢、国籍、障がいなどを問わず、紙芝居を楽しみ、交流する場になる予定だったのですが、新型コロナウイルスの影響で中止になってしまいました。ご存じのとおり、人が集うことができないので、その他のイベントも含めて紙芝居を披露する機会がめっきりなくなってしまったんです。そのおかげで少し時間ができたので、人が集うことができない中で何かできないかと考え、ステイホームで楽しみが限られてしまう皆さんに少しでも非日常を届けたい!との思いで「青空かみしばい」をオンラインでやってみることにしたんです!」
―開催までどのくらい準備しましたか?
「とにかくまずはやってみて、やりながら考えようと思い、準備なしで始めました(笑)」
―準備なし!勢いですね(笑)実際やってみていかがでしたか?
「私は完璧ではないので(笑)、皆さんに手伝ってもらいながら、皆さんと一緒に場を作ることができればと思っていたのですが、毎週末の開催を積み上げていくことで、最終的にはそのような形に近づけたかなと思っています。最初のうちはシステムトラブルなどでバタバタすることもありましたが、皆さんのご協力で臨機応変に対応でき、盛り上げていただきました。私は英語がそれほど得意ではなく、途中からは航空会社勤務時代の元上司に参加いただき、通訳の手伝いをしていただいたり、参加者の外国の方に通訳を手伝っていただいたりもしました(笑)」
予期せぬ!?紙芝居の世界交流が実現!
―参加者だけではなく、演者も募集していましたよね。
「はい、演者も参加者同様に様々な方が参加して、交流することを目的にしていたので、募集しました。最初は希望される方が出てくるか心配だったのですが、プロアマそして国内外問わず、多くの希望される方が手を挙げてくれました。外国からもメキシコ、ブラジル、スイス、アメリカ、アルゼンチンなど様々な国の方が現地から披露してくださりました。皆さん世界が大変な今だからこそ紙芝居を、笑顔を届けたいという思いで披露していただき、感謝しています。」
―逆に外国の方も演者ではなく、参加者としても参加いただいたんですよね。
「そうなんです。私たちが外国の紙芝居に触れることができただけではなく、外国の方が参加者としても参加していただいたおかげで、日本の紙芝居の文化を海外に紹介する機会にもなりました。ここまでできるとは想定外でしたが、少しは外国と日本の紙芝居をつなげる場になれたかなと思っています。」
―オンラインのメリットを最大限に活用されていますね!
「今回をきっかけにワールドワイドが身近になることで、今後の大きな可能性を感じました。世界に限らず入院中などによりリアルで見られない人でも見ることができますしね。離れているのに、全世界からお茶の間に集まっているみたいな感じになれます(笑)ただ、やっぱり紙芝居を演じるということでは、オンラインはリアルには勝てないということも強く感じました。オンラインだと物のやり取りや生の触れ合いができないですからね。互いの良さがくっつけば最強ですが(笑)」
今後は新たな可能性にもチャレンジ!
―「オンライン青空かみしばい」は今後どのように活動していく予定でしょうか?
「「オンライン青空かみしばい」は、最初から新型コロナウイルス感染症の収束までと限定していましたので、緊急事態宣言全面解除に合わせ5月末に一旦終了します。これまで毎週末、8回にわたって開催できたのは、共感してくださった世界中の紙芝居に携わる方々、地域を中心とした参加者の皆さまのおかげだと思っています。今後は今回得たノウハウをリアルの「青空かみしばい」にも生かして、可能であれば8月に高津区で開催できればと思っています。やはり皆さんの本当の目の前で披露して、笑顔を見たいですからね。また、「オンライン青空かみしばい」は、今後は全世界の子供たちに紙芝居を届けられるように第二部を考えています。地域も世界も紙芝居でつなげてみんなを元気に、笑顔にしたいですね!」
最後は世界を見据えた言葉で締めていただいたもっちぃさん。「青空かみしばい」は、これから訪れる新しい生活様式の中でも変化し続け、市民のみなさんだけではなく、全世界の人々に日本の紙芝居と笑顔を届けていくことでしょう。
問い合わせ
川崎市市民文化局協働・連携推進課
電話 044-200-3708