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シニアのためのDIY(日曜大工)講座 ~ 我が家から地域へ ~

この記事は、2020年3月23日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。

 多摩市民館でシニアのためのDIY(日曜大工)講座が開かれています。講座は全4回。参加者20人が工作や修繕のスキルを学んでいます。令和元年度多摩市民館シニアの社会参加支援事業(活動コース)のプログラムです。


第2回目は、市民館で普段使われている椅子の座面を張り替える作業でした

 椅子は四つの角が丸くなっています。前方二つの丸は大きく、後ろ二つは少し小さめです。前後、左右のかたちもわずかに外側へ膨らみをもっています。平なスエードの生地をその椅子のかたちになじませながら張ってゆくと生地があまってしわが溜ります。その溜りを裏面へ引っ張り表へ出ないようにする作業に、参加者は汗をかきながら楽しんでいました。

椅子の裏でしわをまとめる

講座参加者にお話をうかがいました。

 「しわが出たら右手で引っ張って、すぐに左手で押さえて!と先生はおっしゃるけど、そんなすぐに右手左手の切り替えはできないんですよね」と土沢きみ江さん(70代)が話してくれました。周囲からは「同感、同感」というように小さな笑い声がわき上がりました。「押さえているとこっちがずれてきちゃってね」と土沢さんが続けると笑い声も「そうそう」と続きました。

作業の様子

 木村 功さん(75)は趣味が日曜大工。自宅でも「小さなちょっとしたものを作るのが好き」で、「講座ではどんなことをやるのかな」と関心を持って参加しています。焼杉の小もの作りや障子貼りなどは初めてです。「家ではできないことだし、ものを作る講座があまり無いのでとてもいいですね」といいます。

 子どものころから「図画工作・技術家庭」が好きで、マンションのベランダで小さな椅子や花台を作る木工作業が趣味の藤田政洋さん(56)。「モノづくりでは音が出て、周囲にご迷惑をかけることもある」といいます。そこで「好きなことをしたい」と思ったことが参加の動機でした。「木工とは違うけれど、欲求不満の解消になって楽しいですよ」と話してくれました。

タッカーを使って生地を固定

 「部屋の障子が破れみすぼらしいので自分で上手くやれないだろうか、手指を動かすのはいいことだし、認知症予防にもなるしね」と語るのは安田修一さん(71)。「顔のしわ取りをしたいけれど、今日、椅子のしわ取りにあんなに難儀しては無理だと思った」と語るとそばの人から「左手で伸ばして、伸ばして」と声が上がりました。その声に誘われて腹を抱えるような笑いが起きました。

 「使える道具がそろっていていいね」「うちにはないものばかりだ」という声も聞かれました。奥さまが申し込んで参加した平井進さん(65)はここで勉強したことをベースに地域のシルバー人材センターに登録できれば外出の機会が増えるかもしれないと期待しています。

裏に余った生地

 参加の動機や講座体験は様々ですが、「みんなで一緒にやることが楽しい。チームワークがうれしい。手作りを楽しむ人たちと知り合う機会になることがいい」そして「暇はよくない」ということが皆さんに共通する思いのようです。

 シニア世代がその持ち合わせる経験と知識、能力を地域社会で活かしながら生き生きと生活するためのきっかけづくりを応援する「我が家から地域へ」のDIY講座。講座での学びが地域へ一歩を踏み出すための背を押す気配を感じさせてくれました。

手触りで生地を確認

問い合わせ

多摩市民館社会教育振興係
044-935-3333


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