連載 『まちのひろば探検隊with新しい生活様式』 第2話 ~川崎セブンスターオンラインLIVE 後編~
この記事は、2020年5月26日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。
オンラインLIVE成功の秘訣とは!? ~オンラインインタビュー~
「かもしれない」を目指して。
新型コロナウイルス感染症の影響により、集まったりすることが難しい今、
―だからこそのつながりができるかもしれない―
そんな「かもしれない」を目指す「まちのひろば」の新たなチャレンジを連載します。
第1話で、市内のそこかしこで漫才や音楽などを披露し、子どもから大人まで多くの方を笑顔にするグループ「川崎セブンスター」のオンラインLIVEに潜入した探検隊は、オンラインLIVE舞台裏の秘話を求めて、「川崎セブンスター」の代表ウメッチこと梅本さんにオンラインインタビューをしました。
第2話では、オンラインLIVE成功の秘訣も明かされたインタビューの模様をお届けします。
逆転の発想で新しいことができるチャンス!
―こんにちは!今日はオンラインでのインタビューですがよろしくお願いいたします。早速ですが、5月3日と5日に開催した「川崎セブンスター」オンラインLIVEは大盛況に終わりましたが、オンラインで開催することになったきっかけは何だったのでしょうか?
「新型コロナウイルス感染症の影響で、4月26日に麻生市民交流館やまゆりで開催する予定のLIVEが中止となってしまい、しばらく落ち込んでいました。少し経ってから逆に今だからこそ何か新しい方法で、公演ができるのではないかと思い、仕事でオンラインを使用していたこともあり、LIVEもオンラインでできないかと他のメンバーと相談したのです。すると、既にオンラインを使って踊りのレッスンを行っているメンバーがいて、『これはできるぞ!』となり、4月前半に急遽当初のLIVE参加メンバーを中心としたオンラインLIVEの開催が決定しました。」
―4月前半に急遽決定してからの準備などはどのように行ったんでしょうか?
「なにしろ初めての取組だったので、開催決定から本番までの3週間、演者側も観客側も準備がドタバタで忙しかったです。まず演者の方は参加6メンバー中4メンバーが音楽のパフォーマンスだったのですが、いざ試してみると音楽を流すと音割れをするし、歌も途切れてしまうというありさま。そのため、音楽のパフォーマンスを行う演者の一部に当初の内容から変更してもらって、リハーサルを行い、オンラインでも対応できるものとしました。また、気心の知れた仲でもある友人の須摩さんにも急遽手伝ってもらって音楽や動画、そして観客側の対応も含めて毎日やりとりをしていました。須摩さんの協力なしでは今回の開催はなかったと思います。」
初めてだからこそ観客への手厚いサポートを!
―演者側の準備も色々大変だったようですが、観客側の準備はどのように行ったのでしょうか?
「川崎セブンスターの公演を観られる方は高齢者が多いので、観客側の準備が特に大切だと思っていました。オンライン会場に多くの方が入場できなかったり、オンラインLIVE中に生活音を流されたりしたら、演者も観客もLIVEどころではなくなってしまいますからね(笑)。そのため、事前にオンラインの使用について細かい部分まで記載した注意書きを申込者に配信しました。それだけでなく、観客がお試しで入場できるリハーサルの日を設け、オンライン使用の事前練習をしてもらうとともに、この方は個別に教えた方がいいなという方にはマンツーマンで教えたりしました。普通はこんなこと無料でやりませんよね(笑)。でも、最初にしっかりこういうことをすることで、観客側のオンラインスキルだけでなくこちらのスキルも上がるので、やって良かったと思います。おかげで、参加予定の観客はほぼ全員が会場に入場でき、トラブルやこれといったハプニングもなく無事にLIVEをお届けすることができました!」
―今回のオンラインLIVEは、介護施設の利用者の方も観られていて、LIVEの最後には介護施設の映像に切り替えて交流をする場面もありましたね。
「そうなんです。日頃からLIVEを行わせていただいている介護施設の方々に事前にお知らせしたところ、2つの施設からぜひ利用者さんにも見せたいと連絡をいただきました。そこで、施設にも事前にオンラインのサポートをしっかり行いました。当日は、大画面のテレビで施設利用者の方々に観てもらうことができて本当に嬉しかったです!」
リアルの時よりも丁寧さを追求する!
―本当にきめ細かい準備をされてきたのですね。オンラインLIVEを開催してみて、リアルのライブとの違いはどのような部分にあると感じましたか。
「オンラインだと観客に目の前でじっくりと見られているので、表情にいつも以上に気を使うとともに、より丁寧に披露することを意識しました。また、パフォーマンスの熱気がどうしても伝わりにくくなるので、大きな身振り手振りも重要になってくると思います。あと、リアルだとすぐそこにいる観客にしか見せられないパフォーマンスをオンラインではどんなに離れていても観ていただくことができるというのは大きなメリットだと改めて感じました。ただし、それによってプライバシーや著作権の課題も新たに出てきているので、そこは今後整理し、配慮していく必要があると思っています。」
―他の演者の方はオンラインLIVEをどのように感じていましたか。
「オンラインLIVE後にそのままオンライン上でミーティングをしたのですが、みんな興奮していましたね。こんな盛り上がっていいのかなって(笑)。画面を通して皆さんに観てもらうことで演者のレベルが上がって、芸の幅が広がりますし、そして何より、人に笑顔を与えることで自分たちが逆に笑顔になるステキな時間をいただきました。」
今後は時代に対応したプラスアルファを
―オンラインLIVEは成功したと思いますが、このライブを経て川崎セブンスターとして今後どのように活動していく予定でしょうか?
「実際に観客の皆さまからのアンケ―トで、お褒めの言葉をたくさんいただき、一回目としては大成功だと思っています。今後、コロナ騒動が収束するまでは、川崎セブンスターとしては、オファーがある施設向けの個別のオンラインLIVEをやりたいと思っています。しかし、やはり肌と肌が近いリアルのライブをできるならやりたいという気持ちがあります。高齢者の観客は特にそういう方が多いですからね。ただ、これまでと同じようにやっていくのではなく、今回のオンラインLIVEは準備が大変だった分、得られたものが非常に大きいと思っていて、今後の活動の幅を広げることができたと思っています。具体的には、リアルのライブができるようになった際は、その場だけでなくオンライン会場も併せて作ることで、より多くの方に観ていただくことができるようにしていきたいです。今回の新型コロナウイルス感染症後の世界は、物の考え方や価値観が大きく変わっていくと思っているので、そこから生まれてくる新たな手法などにも柔軟に対応していきたいですね。」
最後に、ウメッチからダーウィンの『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』という言葉を引用した上で、「年齢に関係なく変化に対応できる人間、グループであり続けたい。」という言葉をいただきインタビューを終えました。
「川崎セブンスター」はこれから訪れる新しい生活様式の中でも変化し続け、市民のみなさんを星のように照らし、笑顔を届け続けていくことでしょう。
問い合わせ
川崎市市民文化局 協働・連携推進課
電話 044-200-3708