高校生が企画「かわさきそだちと過ごす1日」
川崎市立川崎高等学校では、総合探究の授業として「川崎よいまちプロジェクト」に取り組み、主体的に社会参加し、具体的に川崎市に提言をしています。取り組みはゼミ方式で、それぞれのテーマに沿った指導教諭がついています。ゼミに所属するのは1,2年生です。
そのひとつとして、今野ゼミ(今野歩教諭指導)企画の「かわさきそだち」(川崎市内でとれた農産物の総称)を使った親子料理教室「かわさきそだちと過ごす1日」が、1月20日にこども食堂「まきまきキッチン」の一角で開催されました。
立ち上げたきっかけを同校2年同ゼミ長の佐々木ゆいさんにお話を伺いました。
(取材日:2024年1月20日 レポーター清水まゆみ)
「かわさきそだち」が市民にあまり知られていない
総合探究学習のテーマを検討していく中で、市内の農業に着目しました。市民は農業が市内でおこなわれていることは知っているが、生産される新鮮・安全・安心な農産物をより多くの方に知ってもらう目的でつけられた名称「かわさきそだち」はあまり知られていないことがわかりました。
令和2(2020)年度第2回かわさき市民アンケートhttps://www.city.kawasaki.jp/170/cmsfiles/contents/0000126/126823/shimin2020_02_gaiyou.pdf
そこで実際に「かわさきそだち」を食べてみることで、親しみを持ってもらえるのでは?と考えました。
市内には多様なスタイルの「こども食堂」が生まれてきている
どこで食べてもらうか?を考えた時に着目したのが「こども食堂」です。市内に多様なスタイルの「こども食堂」が生まれてきていて、いくつかの「こども食堂」に行ってみると運営は多様で、お客さんはこどもだけでなく大人も来ていました。インタビューをしてみると「こども食堂のご飯は安くて栄養がとれる!」「子どもが楽しめる場所が見つけられた」という意見があったんです。
そこでこども食堂と連携して「かわさきそだち」を使った親子料理体験教室を開けば、「かわさきそだち」に親しみが増すのでは?と考え今回の企画がまとまりました。
かわさきこども食堂ネットワーク
https://kawasaki-kodomoshokudo-nw.jimdofree.com/
中原区の3つのこども食堂と連携
こども食堂を運営する方たちと打ち合わせを重ね、中原区の3つのこども食堂の協力を得られることになり、「かわさきそだちと過ごす1日」のチラシを作り、参加者の募集を開始しました。
メニューは、野菜をたくさん食べることが条件。カブを使ったミニピザ、野菜もりもりぎょうざ、ビビンバライスバーガーに決め、試作をしました。
かわさき食マスターを目指せ!クイズからスタート
まきまきキッチンでのイベント当日には、「日頃このこども食堂を楽しみに利用しています」「学校で子どもがチラシもらってきたんです」という親子やゼミ生の妹さん(小学6年生)の女子グループも来てくれました。
最初は「かわさきそだち」にまつわるクイズからスタート!すっかり盛り上がったところで、使用するカブ、ブロッコリー、にんじん、じゃがいもといった「かわさきそだち」の野菜が並び、すべて生産者名も紹介されました。
いよいよカブのミニピザの調理開始です。作るのはピザ生地を小麦粉から練る「冬のワンパンピザ」とカブの輪切りをピザ生地にした「ヘルシーカブピザ」の2種類。採れたてのカブは甘く柔らかくて大人気。ピザ生地にする前に、焼いて食べる子どもたちが続出でした。
私は3月でゼミ活動は卒業しますが、後輩たちにこの活動を繋いでいってもらえたらうれしいです。
取材を終えて
今回はイベントの企画段階から取材を始め、まずは自分たちでこども食堂をまわり、来ている人へアンケートを取り、問題点を絞りこむ行動力に感動しました。実現に向け、3つのこども食堂の賛同を得て、「かわさきそだち」を栽培する生産者にも会い、使う野菜を決め、料理を考え何度も試作をする実行力にも感服でした。
当日はピザ生地がうまく伸びない、生地が厚く、なかなか火が通らず子どもたちの「おなかすいた!まだ焼けないの?」の声が続出。あたふたする高校生の姿もありました。
みんなでわいわいと「カブがみずみずしくやわらか~い」と子どもがパクパク食べる姿を「かわさきそだち」の生産者にぜひ伝えたいと思いました。