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不登校児のための食育講座講師:めいめいさん~正しい食事より、楽しい食卓を!~

近年不登校の小中学生が全国的に急増しており、その数は約30万人になっているとのことです(2023年10月文部科学省発表による)。不登校の要因は人によってさまざまであり、どう対応すればよいのか、親たちも深く悩むことになります。お子さんと接することが多いお母さんが、健康を損ねてしまうことも珍しくありません。
今回は、栄養士として20年のキャリアを持ち、エリアマネージャーを経て、アレルギー食アドバイザー、生活リズムアドバイザー、健康リズムカウンセラーなどの資格を持つめいめいさんに、お子さんの不登校経験をきっかけとして活動している不登校児を持つ、家庭向けの食事講座や相談会についてお話を伺いました。
(取材日:令和6年9月13日 レポーター:山田知子)


栄養士めいめいさん

活動のきっかけは息子の不登校

私の息子は小学校1年生の夏休み前から、学校に行けなくなりました。
それからはとても辛い毎日でした。
が、あるとき「せっかく息子と共に過ごせる時間なのだから、楽しく過ごそう」と考えを転換することができたのです。
息子にも、自分のやりたいと思うことをやるように働きかけました。
その結果、息子はとっても元気に生き生きしてきました。

不登校児の親の集まりや、コミュニティで、その経験談などを話すと、とても役立ったと喜ばれました。
こんな私の体験談やアドバイスが、同じように辛い思いをしている方々のお役に立てるなら、と思ったのがきっかけになりました。

なるべく楽しく過ごしたい

息子が学校に行けなくなって、私は仕事を在宅ワークに切り替えてもらいました。母子登校や別室登校をしたり、学校のカウンセラーや教育支援センターに相談したりしても状況は改善せず、無理に行かせようとすると状態が悪化するばかり。

私自身も「私の育て方が悪かったのか?私は息子の人生をぶち壊してしまったのだろうか?こんな私が生きていていいのかしら?」と思い詰めてしまい、私自身の健康状態も悪くなってしまいました。

心理士さんからの勧めもあり、登校することをやめて、自宅で過ごすことになり、毎日毎日、自宅で息子と二人で過ごしていました。その時、せっかく母子が共に過ごせるのだから、なるべく楽しく過ごしたいと思ったのです。

その方法のひとつとして、毎回の食事は親が準備したものを与えるのではなく、息子が食べたいものを自分で選ぶようにしてみました。そうすると息子がとても元気になってきたのです。本人が自分で選んで決定し、実行することで、とても生き生きするのだと気付くことができました。私にとって大きな転換点でした。

小学校3年生になったころから留守番もできるようになり、私も少しずつ職場に行くことが出来るようになりました。

講座を始めてみたけれど

ネット上に全国の不登校児の親のためのオンラインコミュニティがあり、私も参加していました。主催者からお声がけいただき、コミュニティ内で私の経験や知識をお話しする講座を開催させていただいたのです。1年ほど続いたのですが、それがとても好評だったのです。「役に立った」「とても気持ちが楽になった」と皆さんに喜んでいただけて、嬉しかったです。

そこで、自分が暮らしている地域の方々にもお伝えしたいと思い、地元の多摩区で講座を開こうと思い立ちました。希望に燃えてスタートしたのですが、初めての講座は、広報がうまくできず、まさかの参加者ゼロ!とても悲しかったです。

最初の講座は参加者ゼロ!

例えばこんな話をしています

不登校の子どもたちには、昼夜逆転、不規則な食事時間、栄養の偏り、偏食、肥満という問題や、「部屋から出てこないため家族と一緒に食事出来ない」、「食事回数や量が減る」といったことが起こりがちです。不登校家庭で起こる「食事の問題」についての対応を、栄養士としてお伝えしてきました。

子どもが不登校になると親も近所づきあいも少なくなってしまうし、出かけることもままならず、気楽に話しあえる相手がいないことが多いのです。

2回目の講座の参加者は7人!とても喜んでもらえました!

「もっと多くの親たちが、このような『場』を共有できたら、辛さを軽減することが出来るね」
仲間たちのそんな思いを形にしたのが、不登校家庭向けの「食育講座」と不登校の親が集っておしゃべりする「あじさいサロン」です。
その時々、周りの方と共に相談したり、当日手伝ってもらっています。

不登校の子のお母さんへのサポートを大切にしたい

講座もサロンも今年度のスタートで、始めたばかりですが「不登校のための食育講座」は年間3回、「あじさいサロン」は6回開催する予定です。
ただ、やり始めて感じているのは、お母さんたちが自身の健康を損ねていたり、お子さんの状況によって出かけられない、などということがとても多い、ということです。
そこで、「参加したいけれど行かれない」そんなお母さんのために、新しくオンラインコミュニティをスタートさせようと計画しています。まもなくスタートする予定です。
同じ立場の親とつながりを持つことができ、話すことで気持ちが落ち着いたり、辛さや悲しみが和らいだり、そんな場になってくれたらと願っています。

「あじさいサロン」の様子(2024年9月29日)

つながりを大切に、活動を広げていきたい

近日の予定としては、2024年11月17日(日)に「昼夜逆転生活の食育講座」を開催します。不規則な生活をしている子どもにどう接するかなど、親子の心をラクにする対応についてお話しします。

先日、かわさき市民活動センターの交流会「ごえんカフェ」に参加したら、市内で多種多様な活動している方々のお話を伺うことができ、私の視野が広がりました。
これまでは、多摩区だけを活動の対象に考えていましたが、オンラインコミュニティだと、地域を限定せずに参加していただくことができるので、交流の輪が自然に広がって、多くの方とつながっていければいいなと期待しています。

昼夜逆転生活の食育講座チラシ

不登校のお子さん、お母さんへ、ひとこと

♡子どもたちに⇒ 隣の子と同じでなくていいんだよ
♡お母さんたちに⇒ 親と子の人生は別。お母さん、楽しんでいいのです!

「あじさいサロン」には、どなたでもお気軽にご参加いただけます。
各回の日程や会場、お申込みについてはホームページをご参照ください。

取材を終えて

体験から滲み出てくる言葉は、心に沁みますね。
聴き上手な方なので、ついついインタビュアーの方が沢山喋っておりました。

めいめい@不登校支援/栄養士

ホームページ(note):https://note.com/meymey0000
お問い合わせ:ホームページからお願いします
講座やサロンの今後の予定などは、noteでお知らせしています。

取材記事(アエラ):https://dot.asahi.com/articles/-/208708?page=1

対談(YouTube):不登校の食育講座@現役栄養士めいめいと不登校ジャーナリスト、石井しこうさんの対談「わが子の食生活、これで大丈夫?」


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