白血病疾患を経て人生を謳歌! 地元川崎で思いきり楽しむモノづくり
この記事は、2023年1月18日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。
ウォーキングが好き。街のイベントが好き。絵を書くのが好き。人とつながるのが好き。そして、古着や革の端切れなどを使って、リュックやバッグに作り替える事が好き。
以前はアパレルの会社で休む間もなく朝から晩までフルタイムで働いていた中村圭子さん。2017年、慢性骨髄性白血病と診断されて、療養生活を送ることに。職を失い、社会から孤立してしまった中で、ずっと住んでいた川崎の街に目を向け、自分の好きな事を楽しむように生き方を変えました。地元川崎市で、やりたい事を思い切り楽しみながら生活する中村さんに話を伺いました。
(取材日:2022 年 12 月 8 日)
地域とつながったきっかけを教えてください
白血病という病気になり、約1年療養生活を送る中で、自分の好きな事をやり始めました。散歩に出かけたり、古着をリサイクルしてリュックを作ったり。今まで朝から晩までハードな生活を送っていたのですが、療養期間は本当にゆっくりした生活になったので、それまで興味がなかった地元、川崎にも目を向けるようになりました。
そこで、2021年「かってにおもてなし大作戦」に出会いました。
「かってにおもてなし大作戦」は、川崎市が推進する、かわさきパラムーブメント(※)に向けた取り組みの一つで、自分の趣味や特技、アイデアなどを活かして、川崎に暮らす方々に向けて、自分が楽しくて、ドキドキする「おもてなし」をふるまってみようというものでした。
かってにおもてなし大作戦では、どのような事をされたのですか
私は、古着が好きなので、それを使って何かしたいと思い、古着を覆面マスクにつくり変えました。その覆面を被り、「本物のリングでプロレスラーと覆面切りでおもてなし」を開催しました。自分のやりたい事、楽しい事が実現できてうれしかったです。
古着をリサイクルして新たなものとして形づくることが得意なのですね
端切れや古着、革などの捨てられてしまうようなものを再生(アップサイクル)するのが好きです。デニムをトートバックにしたり、傷や擦れがついた革をリュックにしたり。味があって素敵な、歴史という付加価値が加わった商品になります。
そういった活動をしてきた中で、さをり織り(※)に出会いました。現在は、布の廃材を使って織り込んだ、さをり織りの反物を作るプロジェクト「Kawasaki Saori Art」に所属しています。
「Kawasaki Saori Art」はどういった事をされているのですか
「川崎ならではのさをり織り」=「Saori Art」を作り、色々な所に展示しています。
スポーツチームの廃棄フラッグや企業から出された布廃材を集め、思いに共感してくれたさまざまな立場の市民が集まって布廃材の仕分けや裁断を行います。その後、障害のあるアーティストが、組み合わせや形状を考えながら、さをり織り機で色鮮やかな反物に仕上げていきます。
そのさをり織りの反物を、川崎駅北口、川崎市アートセンター、かわさき市民活動センターのイベントにて展示しました。廃棄予定だった布を市民の共同作業で蘇らせ、サステナブルなまち“川崎”を象徴するアート作品です。今後は新たな場所で展示を続けていきながら、この反物を使って商品を作っていく予定です。
中村さんは、商品を作るのですね
はい!さをり織りの反物を商品化していきます。さをり織りの反物を作る際は、仕分け作業や裁断をお手伝いし、クラウドファンディングの返礼品製作を行いました。この反物を使い形を変えて商品化することで、さおり織りの魅力をより多様に楽しむことができるようになります。また、さおり織りのつくり手だけではなく、さおり織りの周囲や側面にも光を当て、多くの人の共同作業によって実現しているプロジェクトであることを知ってもらいたいと思っています。
今後の抱負を聞かせてください
これからも、おもしろい事をやっていきたいです! 現在働いている幸区SDC(ソーシャルデザインセンター)では、色々な人とつながる事が出来てうれしいですし、地元では声をかけていただけることが多く楽しいです! 今後もこのような生活を続けていきたいですね。
病気をしたことはマイナスではなく、他の人が持っていない特技だと思っています。そんな私が楽しいと思う事をやっていたら、周りも面白そうと思って仲間になってくれるはず! これからも自分の居場所を作っていきたい、そして地元に根付いた活動をしていきたいです。
関連 URL
中村圭子さんインスタグラム
kco_backpack
https://www.instagram.com/kco_backpack/