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子どもの遊び場を考える会 ポレポレ ~30年を超える活動の足跡をたどる~

この記事は、2022年3月7日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。

 宮前区の「有馬ふるさと公園冒険遊び場」では「自分の責任で自由に遊ぶ。ケガと弁当は自分もち」がモットー。そこではハンモック、ロープ、スコップや大工道具などが用意されており、子ども達が身の丈に合ったケガや失敗をしながら自由に遊ぶことができます。
 1992年に開園して以来30年以上にわたってこの遊び場の運営を担ってきたのは「子どもの遊び場を考える会 ポレポレ」です。その間にどんな苦労や喜びがあったのでしょうか。20年以上同会の運営に携わってこられた山岡洋子さんにお話を伺いました。
(取材:2022年2月10日)

現在、「宮前区子どもの遊び場を考える会ポレポレ」は、10人のメンバーで、代表者は決めず、会計、連絡係を交代しながら運営しているそうです。


30年間続けてこられたコツはありますか?

私たちが心がけていることは、

抱え込まない

できる人ができることをやる。参加者もお客様扱いではなく、どんどん手伝ってもらう。

仲間と繋がる

区の支援事業に採択されたおかげでネットワークができ、課題を共有できるようになった。

自分の“楽しい”を大切に

誰かのためにやってあげているのではなく、自分が楽しんでやる。

ポレポレTシャツ

 代表という形式をやめて、だれでもが少しずつできることをやるので、負担が偏ることがなくなりました。連携することで悩みや問題を共有したり、共に考えることができるようになりました。みなそれぞれに楽しいと思えることがあるので続けているのだと思います。
 今もし私がやめても、この会は続いていけるでしょう。
いつでもやめられると思えるから、続けていられるのかもしれませんね。

どろんこ遊び

活動を続けていて、難しいと感じることはありますか?

 現場での活動は楽しいのですが、家に帰るとヘトヘトで家事がテキパキとできなくてね。ボランティアをしているために、家事にしわ寄せが行くことにイライラしていました。家族はうるさく言わなかったんですけど、家事もちゃんとやりたいという自分の気持ちとの整理がつかなくてね。
 それから、私は書類を書くのが苦手なので、以前は、助成金などを申請していましたが、申請書類や報告書の作成には苦労しました。書類作成は作業が分担しにくくて、負担が一人に集中しがちでした。
 プレイリーダーがやめてからは、謝礼金が不要となったので、助成金の申請はしていません。それで随分楽になりましたし、代表者を決める必要もなくなりました。会の運営経費は会費とポレポレTシャツの売り上げで賄えています。
 代表者って決めちゃうと、その人が多く背負い込むことになりやすいですからね。

山岡洋子さん

大変な時には、いつも誰かが手を差し出してくれました

 やめたいなあ、やめようかなあと思ったことは何度もありました。けれど、待っている子ども達の笑顔が浮かぶと、もうちょっと頑張ろうって思うんです。
 なかには、この遊び場をこころの拠り所というか、居場所なのかなっていう子もいましたからね。学校にも自宅にも居場所がないのかもしれない、この遊び場がそういう子たちの受け皿になっているのなら、なくしたくないと思いました。
転居などでメンバーが減ってしまったときは、続けていけるのか?悩みました。そのうちまた少しずつメンバーが増えて活動も安定したので、私がいなくても大丈夫そうだと本気で引退を考え始めました。
 ちょうどその時に、区民会議で「宮前区に冒険遊び場を広めよう」という提案が出されて、翌年、区役所で事業化されたのです。
 ものすごく嬉しかったですね!
 どなたかが私達の活動を見ていてくださって、良いことだと思ってくださって、提案してくださったわけですよね。
 続けてきて良かったとしみじみ思いました。

ハンモック

こんなサプライズも

 ある日のことです。埼玉から若いファミリーがやって来ました。
 ベビーを抱っこしているパパは、当時中学生で、ふらりと一人でやって来る子(!)でした。
「ここがあって僕は助けられました。僕の家族を皆さんに見て欲しくて、今日は連れて来ました」
 この言葉がどれほど嬉しかったことか!

 この出来事も、 区民会議の時も、思いがけないご褒美をいただけたと思いました。長く続けてきたおかげですよね。
 これからも子どもたちの笑顔を楽しみに、続けていきたいと思っています。

大工さん

ポレポレの軌跡(奇跡)

1987年
「宮前区子どもの遊び場を考える会(ポレポレ会)」発足(代表・鈴木寿子さん、メンバー10人)
1992年
「有馬ふるさと公園 冒険遊び場」開園(毎週水曜日と第3日曜日)
この頃山岡さんは親子での利用者
1999年
山岡さんがメンバーとして参加 
解散を検討中だった設立メンバーは脱退
 外部からプレイリーダーを雇用する
以前からのメンバー1名+山岡さん+プレイリーダーで継続実施
名称:「宮前区子どもの遊び場を考える会 ポレポレ」と変更
2003年
先輩メンバーが退会 山岡さん+プレイリーダーで継続実施
(各種助成金などを申請しプレイリーダーの謝礼金を捻出)
2008年
プレイリーダーが他団体に就職し脱退 運営メンバーは山岡さん1人となる
 開催回数を減らし、できることを、できる形で、友人の手助けを得て継続
2010年
宮前区区民会議が「冒険遊び場を広めよう」と区に提案
2011年
宮前区「冒険遊び場支援事業」スタート
 宮前区冒険遊び場ネットワークが組織され、6カ所の遊び場が順次参加

子どもの遊び場を考える会 ポレポレ
有馬ふるさと公園:鷺沼駅より徒歩15分
問合せ:044-854-6601(足立)


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