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新たなプロジェクトが誕生する場に~KAWASAKI YELL~

2023年10月から、川崎市内で新たなプロジェクトを行う挑戦者を応援する企画「KAWASAKI YELL」が始まりました。挑戦者にはこれまで取り組んできたことや、企画しているプロジェクトの内容をプレゼンテーションしていただき、参加者はその発表に対する感想やアイデアを出したり、自らが提供できるものを伝えるなどして、お互いに支援することができる会になります。また会場では、軽食や限定ビール、フリーDJなども楽しめて、来場者同士のコミュニケーションの場にもなっています。
そんな「KAWASAKI YELL」を立ち上げた任意団体tankerの代表、松川 渉平(まつかわ しょうへい)さんに話を伺いました。
(取材日:2024 年 1月 20 日  レポーター:倉林智美)


KAWASAKI YELLが生まれたきっかけは、鹿島田DAYSの閉店

川崎市幸区鹿島田に始めて訪れたのは2018年。駅前にあったコワーキングカフェ「鹿島田DAYS」で行われていた地域イベント(鹿島田deナイト)に参加した際に、イベントに携わる方々のアットホームな雰囲気に惹かれ、それ以降時々鹿島田エリアへ足を運ぶようになりました。
まちづくりに関わる仕事を行っている中で、業務としてだけでなく、個人として主体的に地域活動に関わってみたいという思いが生まれ、2021年に「エリアマネジメント組織鹿島田デイズ」にサポーターとして加入し、トークイベントに登壇したり、鹿島田駅前の公共空間を活用した地域イベントで映像制作スタッフ等を行ってきました。

そんな中で、2023年7月に鹿島田DAYSが閉店することが決まり、これまで築き上げてきた地域の方々とのつながりを持てる場がなくなってしまうことに寂しさを感じた中で、何か自分にできることはないかと考え、思いついたのが「KAWASAKI YELL」でした。

第4回イベントフライヤー

鹿島田は東京都内や横浜、川崎などの主要都市からアクセスが良いまちですが、都会の息苦しさや敷居の高さがなく、地域外に住む人でも迎え入れてくれる上、どんな小さなアイデアでも実現に向けて応援してくれる方々がたくさんいることが最大の魅力だと感じました。
そんな鹿島田で、川崎市内で何か新たなプロジェクトを始めてみたい、もしくは既に行っているプロジェクトを更に発展させたいという方に、そのアイデアを発表していただき、それを実現させるために地域の方々と一緒に楽しく話し合う場を作ることで、まちの賑わいと人のつながりを継続できないかと思い、このトークイベントを企画することにしました。

第2回の様子。いつも来場者全員の自己紹介と乾杯からスタートします。

自分自身の心も変化していきました

私は2017年3月に首都大学東京(現東京都立大学)を卒業し、2017年4月から独立行政法人都市再生機構の職員として働いています。これまでは団地再生や都心の再開発・区画整理などに関する仕事を、現在は地方都市再生に関する仕事をしています。

また、学生時代からストリートカルチャーが好きで、中学~高校はバスケットボールを、大学からはストリートダンスやDJ、音楽制作などを趣味として継続しています。
そんな中で、鹿島田での出会いもあり、ストリートカルチャーを国内でより良い形で発展させたいという思いが生まれ、アーティストやダンサー(ストリートを使う側)と、まちづくりに関わる行政・企業・地域住民等(ストリートを管理する側)のより良い関係を生み出すため、任意団体tankerを立ち上げました。そして、当団体の1プロジェクトとしてスタートしたのが「KAWASAKI YELL」で、他にもオリジナルクラフトビールのプロデュースやカルチャーイベントの企画、ラジオやnoteでの情報発信なども行っています。

「KAWASAKI YELL」の登壇者はさまざま

記念すべき第1回目は、エリアマネジメント組織鹿島田デイズの事務局である山本大地氏に、鹿島田・新川崎エリアの歴史や特徴を解説していただきつつ、これまで行ってきた地域活動の内容や、その中で感じている思いなどについて発表していただきました。その後は参加者と「今後鹿島田でやりたいこと」について話し合い、30以上のアイデアが集まりました。

エリアマネジメント組織鹿島田デイズ
https://kashimada-days.jimdosite.com/

第2回目は都市計画コンサル系の会社に勤める永島奨之氏に、歴史や交通デザインの視点からみた「ストリート」の魅力と、屋外空間でコーヒーを販売したいという将来の展望について語っていただきました。

第3回目は(公財)かわさき市民活動センター職員の人見雅子氏に、NPO法人幸区盛り上げ隊の活動内容についてご説明いただきました。特に盛り上げ隊のプロジェクトの一つである「幸わいわい音頭」はイベント参加者からも好評で、次年度以降も鹿島田で実施するための具体的なアイデアを出し合うことができました。

第4回はホームレス支援団体CoE代表の濱野さんから、ホームレス0に向けた活動と熱い思いを語っていただき、刺激と学びの多い回となりました。

第1回のプレゼンテーションの様子
地域の方が即興でオカリナやバイオリンを演奏してくれることも

登壇者と参加者のつながりが生まれ、プロジェクトの実践にも結びつきました

個人的には、特に第2回目のプレゼンテーションが印象的でした。永島氏は川崎市民ではないのですが、仕事で得た専門的な内容をフランクに発表していただいたことで、参加者がまちづくりについて楽しく学ぶことができただけでなく、全員で鹿島田のまちの将来像(こんなまちになってほしい、こんなことがしたい)が共有できる良い機会になりました。
また、登壇者が一方的にアイデアを発表するだけでなく、それに共感した参加者との話し合いが行われ、その後実際に地域マーケットでの出店にまで結びついたのも嬉しい出来事でした。

R6.2.18「つながるマーケット」の様子。自身もホットサンドを提供しました

連鎖的に人の輪が広がっています

「KAWASAKI YELL」は毎回15-20名程度参加していただいています。
定期開催(月1回)していることにより、各回のゲストの話を聞いて楽しむだけでなく、過去に参加した方々同士が前回以前に出された企画アイデアについてもう一度議論したり、それにまた別の参加者が関わり始めるなど、連鎖的に人の輪が広がっていることを実感しています。
参加者は元々参加していたエリアマネジメントの活動で知り合った方々だけでなく、それぞれの知人 や職場の同僚、開催場所であるクラフトビール屋「Café Club Key」のスタッフ・常連さんなど、年齢・肩書きを問わず多様な方々に参加いただいており、鹿島田の人のつながりが広がっていることに一番のやりがいを感じています。

第1回の集合写真
軽食で楽しめるフィッシュアンドチップス

誰もがクリエイティブに暮らせる世の中をつくりたい

私がこれらの活動を通して一番実現したいことは、「誰もがクリエイティブに暮らせる世の中をつくる」ことです。これまで趣味や仕事を通して様々な地域や文化の魅力に触れてきた中で、その素晴らしさを もっと多くの人に伝えたいと感じることがしばしばあります。
そんな中で、まちづくりに係る仕事で得た知識や、主にストリートカルチャーにプレイヤー(ダンサー等)として関わってきた経験を活かして、地域や文化が持つ魅力を最大限に伝えてファンを増やすとともに、その魅力を感じた方が主体的に参加できる場・機会を増やす役割を担いたいと考えています。
特に川崎市はストリートスポーツなどの若者文化を推進しているので、「KAWASAKI YELL」をはじめとした鹿島田での取組を継続・発展させるだけでなく、今後は製品販売や、市内の他エリアでの取組にも展開していきたいです。

自身がラベルデザインしたビール「michinori」。収益は全てカルチャー振興に係る活動へ還元されます

誰でも気軽に参加してほしい

鹿島田の地域の方々との繋がりがない方や、鹿島田に訪れたことがない方でも気軽に参加できるイベントにしていきたいです。軽食で美味しいクラフトビールやフィッシュアンドチップスも楽しめますし、まちづくりの専門的な知識やアイデアなども必要ないので、まずは気軽に立ち寄ってみてほしいです。
そしてこのイベントをきっかけに小さな活動をたくさん生み出すことで、鹿島田を「カルチャーの震源地」にできたら嬉しいです。
参加してみたい、登壇してみたいと思った方は、各種SNSアカウントへDMいただくか、下記メールアドレスまでご連絡ください。

問い合わせ

tanker
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メール tanker.japan@gmail.com


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