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宮前区を中心に活動を広げる 「絵を見ておしゃべりする会」

この記事は、2021年6月28日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。

絵を見ておしゃべりを楽しんでいるうちに、自然に脳が活性化され、感情も豊かになるという、そんなプログラムがあるそうです。
宮前区を中心に高齢者や、その家族対象のアート鑑賞プログラムを開催している「絵を見ておしゃべりする会」の代表、小野佳織さんにお話を伺いました。


どのような活動でしょうか

「対話型美術鑑賞」という鑑賞方法を取り入れた活動です。基本的には高齢者や認知症当事者とそのご家族が対象で、「アートを鑑賞しながらおしゃべりをして、生き生きとした老後を!」を活動のテーマにしています。
絵画を通して自由な発想や発話を導き、人とのコミュニケーションの楽しさに触れ、脳の活性化を促し、日常生活の活力へとつなげるきっかけ作りが目的です。

活動を始めたきっかけは

身内の者が急速に老いていく姿を目の当たりにして、介護の技術を習得しようと思い立ち、研修を受け、高齢者福祉施設で介護福祉士として働き始めました。
現場で働いてみると、スタッフの献身的な努力があっても、高齢の方、特に認知症の方に心が豊かになる時間を提供することの難しさを感じました。
そんな時に「対話型美術鑑賞」に出会い、これだ!と思いました。
対話型美術鑑賞のアートコンダクター研修を受け、県内の有資格者8人で対話型美術鑑賞プログラムのチームを結成しました。

一般向けのオンラインプログラムの様子

どのような活動を展開してきたのでしょう

チームを結成した後、すぐにコロナ禍となり、オンラインプログラムを実施するようになりました。そのため、オンラインに対応できる者3人(県外を含む)がコンダクターとして続けていくことになりました。
はじめは、『一般成人の方向けのプログラム』からスタートしました。
その後、高齢者通所施設の通所者さんたちとオンラインプログラムを行ったり、施設の入居者と離れて暮らすご家族をオンラインで繋げてプログラムを行ったりと、さまざまな形で実施しました。
オンラインプログラムの体験会も行いました。Zoomの接続方法や、より良い鑑賞のための環境情報を伝えることから始めました。
取組が口コミで広がっていく中で「高齢者施設に入居中の家族と一緒に楽しんでみたい」、「遠方でなかなか会えない身内とオンラインプログラムをやってみたい」と言った声をいただき、『ご家族だけのプライベートプログラム』も展開しています。
また、一般の方向けのオンラインプログラムも定着してきました。

介護施設にて対面プログラム実施

参加者の反応はいかがでしたか

「認知症の母が、『まるで出かけた気分になるわね。非日常の体験ができたわ。またお願いしたい。』と何度も言っていました」、「母がここ数ヶ月の中で一番晴れ晴れとした表情をしていました」、「終了後もずっと笑顔が続き、元気にしていました」
ご家族からこのようなご感想をいただくと、うれしくて私たちもますます元気が出てきます。

今後の活動について教えてください

高齢者福祉施設、認知症カフェ、県立・市立の美術館、市民館、市内ギャラリーなど、様々な場に広げていきたいですね。
また、現在はオンライン中心ですが、同じ空間では参加者もコンダクターも、表情やそぶり、間合いや視線など、さまざまな非言語コミュニケーションによって心が通じ合うのだと実感していますので、対面でのプログラムが実施できる日を心待ちにしています。
これからも現役の介護福祉士の職に従事しつつ、対話型美術鑑賞を多くの人に体験してもらえるよう活動を続けていきたいと思っています。

代表の小野佳織さん

問い合わせ先

「絵を見ておしゃべりする会」
連絡先:yshkaori528@gmail.com (小野)

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