読んで 聴かせて 体感する ~ちょっと朗読ワークショップ~
この記事は、2021年8月11日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。
今回は2021年7月9日に開催された朗読講座の内容をお伝えします。「歌や演劇は恥ずかしいけど、何かやってみたいという方には、朗読は最適です」とは主催するかわさき伝統・文化を残す会の代表で講師の大畑かおるさん。既に読み聞かせで活躍されている方はもちろん、地域デビューや健康維持にもおすすめです。
今回の講座は、どのようなコンセプトで開催したのですか?
今回は、初めての方でも気軽に朗読に親しんでもらえるように「ちょっと」をコンセプトにしました。
活動の基本としては“地域づくり”をめざしています。地域づくりって、コミュニティづくりですよね。
今回の講座ですと、時代劇の朗読をすることによって時代について考えたり、登場人物の職業について考えたりしますが、そういうことを通して日本の文化や伝統にふれる。勉強するというのではなく、ゆるい形で一緒に楽しむ。そうして気楽に楽しんでいる中で、自然と居心地の良いコミュニティができたらと願っているのです。
読み手の想いを響かせる読み方とは
朗読をやっている人は、聞いてほしくて、一生懸命正しい読み方をしようとします。それなのに、何故か聞き手に伝わらないということがよくあります。技術、テクニックがあれば、より上手く伝えられますが、技術に傾倒せず、それぞれの個性で楽しんで読むことが大切です。まず自分はこのように読みたい、こんな気持ちを伝えたいという想いが一番大事なのです。それがその人の味わい、個性であり、聞き手に想いを響かせるポイントになります。
伝えたい気持ちが大切ということですが、腹式呼吸・発声・滑舌のポイントも知りたいです。
腹式呼吸は、細いストローを吹いて感覚をつかみます。息を吐きながら音を出す。これが腹式呼吸での発声です。それから、喉にはリラックスした声が出せるポイントがあります。そのポイントで発声すると、相手に届きやすい声が出ます。また、セリフを読む前に舌の運動をやっておけば、安心して読むことができます。
セリフを読むときのポイントはありますか
ト書きの状況説明から、登場人物の人となりを理解し、登場人物になりきって読みます。
時代、登場人物の職業、立場などからキャラクターを考えていきます。
地の文とセリフの部分はハッキリと読み分けます。
今回の講座では、レクチャーを受けた後、朗読演習も行いました。
(今回は、大岡政談の「石地蔵」から抜粋して読みました。)
文中のキーワードを見つけ、気をつけて大切に読むと、その言葉が聞く人の心に残ります。
聞いている人の心を動かすには、聞いている人のことを思いながら読みましょう。声を前に(聴衆に向けて)飛ばすように話します。「急ぐ、焦る」を避けることはとても大事です。
参加者の声を集めました
・この講座は技術を教えてもらうのではなくて、自分は何をどのように伝えたいかを考えなくてはなりません。まるで自分探しですね。受講してよかったです。
・孫に読み聞かせたくて受講しました。聞き手に寄り添うということ、勉強になります。
・日常の話し方が改善されたと感じています。
・紙芝居を長くやってきましたが、良い先生に巡り会えてとても嬉しいです。
今後の予定を教えてください
今回の講座は11月まで、1か月に2回、金曜日に開催しています。最終回には皆で朗読劇を発表する予定です。
その後は、内容を少し深めた朗読講座を開催したいと考えています。
「ちょっと何かやってみたい」と思っている方は、ぜひ受講してみてください。
この記事に関する問い合わせ
主催:かわさき伝統・文化を残す会
問合せ:090-1854-8216(大畑)