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麻生区版SDCの設立に向けて。SDC-Carの挑戦

この記事は、2022年8月1日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。
(取材日 2022年6月27日)


「希望のシナリオ」麻生区の取り組み

川崎市は、2019年3月に策定した「これからのコミュニティ施策の基本的考え方」に基づき、10年後を目標に、多様なつながりや居場所があり、お互いに認め合い、誰もが幸せでいられる「希望のシナリオ」の実現を目指す取組をスタートさせました。

麻生区では2020年1月、公募で集まった市民からなる「あさお希望のシナリオプロジェクト」が立ち上がりました。

キャッチフレーズは「みんながつながる みんなが輝く I LOVE ASAO」。

地域の高齢化、コミュニティの希薄化などの環境変化から予想される負のシナリオを回避するため、市民創発によるつながりの強化、居場所づくり等を目的に、人や団体・企業、資源・活動をつなぐコーディネート機能とプロデュース機能等を担う新たな基盤「ソーシャルデザインセンター(以下、SDCという)」の設立に向け、誰もが気軽に集え、多様なつながりを育む地域の居場所「まちのひろば」の視察や、地域が抱えている課題などについて話し合いを重ねました。

2020年4月の緊急事態宣言発出後は、新型コロナウイルス感染防止のため、対外的な活動は自粛し、定例会議もリモートを導入するなど工夫をしながら、具体的な活動に向けて継続的に意見交換を行ってきました。

そして2022年4月24日、「あさお希望のシナリオ実行委員会」が設立され、2022年6月3日には、麻生区と連携協定を締結しました。

SDC-Carプロジェクトのメンバー

SDCの〝たまご〟を目指すSDC-Carプロジェクト

実行委員会では、来年度以降の麻生区SDC設立を視野に、現在5つのプロジェクトを試行実施しています。「SDC-Carプロジェクト」はそのひとつ。地域住民の気軽な相談窓口として、専用車が区内各地に出かけて行く取り組みです。

SDC-Carには介護士や社会福祉士のほか、多分野にわたるクルー(相談スタッフ)が乗り込みます。

どこに相談すればいいのか分からない「困りごと」、ちょっとした「悩みごと」、「気になっていること」、「地域でやってみたいこと」など、車で出かけていって区民の声を聴き、課題解決ができるように一緒に考えたり、アドバイスをしたり、必要に応じて「ひと」と「ひと」、「ひと」と「モノ」のマッチングをめざします。

第1回目は、2022年6月27日の午前11時30分から午後1時30分に、麻生区役所前の広場に登場。テント2張り、相談員6名体制で相談会を開催しました。

市の取材を受ける矢野リーダー

SDC-Carプロジェクトリーダー 依田明子さんに話をきく

Q:なぜこのプロジェクトを企画したのですか?

A:「『車で出かけて行く』のは、『新しいつながりをつくる』というコンセプトが、わかりやすく伝わる、と考えたからです。

これまでSDCの検討を重ねるなかで、麻生区内では、すでに多くの人がさまざまな地域活動を行っていることがわかってきました。里山活動、防災活動、子育てや教育の支え合い、自治会・町内会活動、祭り、認知症カフェや各種サロン、介護予防教室、音楽や芸術活動、生涯運動スポーツ推進、栄養推進、農業、伝統文化継承、障害支援活動、地場産業振興、観光、まちづくりなど。意識して区役所のチラシやネットで検索してみると、その数に驚くほどです。

ところが、残念なことに、地域活動をしている方々が、それぞれで『頑張っている』状況はあるのですが、お互いの有機的な連携も、助け合いも活発には進んでいません。地域に関心がある人同士にもかかわらず、つながる仕組みが弱いからか、互いの活動には結構無関心で、区内を見渡してみると分野を越えた連携が弱いこともわかってきました。各種団体間で連携や情報共有の努力はこれまでにもあったと思います。しかしながら、年に数回の情報交換では共有するので精一杯ですよね。有機的な連携に踏み出すことが出来なかったのではないでしょうか?

『あさお希望のシナリオ実行委員会 SDC-Carプロジェクト』は、待ちの姿勢ではなく、地域に出かけて行って、皆さんの声を聴かせて頂く取り組みです。小さな声、ささやきのなかにも、新しいつながり方のヒントがあるのではないかと思います。」

2022年6月27日10組の相談者が来場

Q:今後の展望について教えてください

A:地域活動で多くの皆さんが、口にされる一番の悩みは、新しい担い手の不足です。
「麻生区は、人材はいるのに、それぞれが結び付いていないという現状が共通課題のひとつかなと感じています。

現在、地域に関心はあっても活動に関わりが無い方々には、ほとんど情報が届かないという状況です。その意味でも、区民に届く有機的な連携を基盤とした広報の仕組みが求められていると思います。

新たなつながりをつくるためには、これまでの地域活動と人材を新たにつなぐ方法を工夫し、さらに新たな方々の参加が可能な活動へと広げることが必要と思います。

これから秋にかけて、車やテントを出動させ『おしゃべりひろば』を開設してまいります。気軽にお立ち寄りください。そして、少しでも興味を感じた方は、ぜひメンバーとしてご参加ください。見学だけでも大丈夫です、声を掛けていただけると嬉しいです。」

相談者の話を熱心に聴く依田さん

8月は、1日月曜日「しんゆり交流空間リリオス」に。13日土曜日に麻生区役所前広場に出動が予定されている。

企画・運営:あさお希望のシナリオ実行委員会 SDC-Carプロジェクト
問合せ:Tel.044-965-5112(麻生区役所企画課)

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