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声の情報を、ひとりでも多くのかたへ届けたい。「みやまえエコー」

この記事は、2023年2月26日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。

「みやまえエコー」は、宮前区を中心に活動している音訳(おんやく)ボランティアグループです。音訳ボランティアとは、書籍や新聞などの文字で表された情報を、音声で伝えるボランティア活動です。鑑賞する「朗読」とは異なり、「音訳」は、内容を正しく伝えることが目的です。発声や読み方を練習したり、音訳データの編集スキルを身につけるなど、常に学びを重ねています。そして、音声にした情報をCDにして、リスナー登録をいただいている視力の損傷やその他の理由で、情報の取得を視覚に頼りにくい人へ届けています。また、ご希望の書籍を対面で朗読することもあります。

2017年に、「録音図書製作講習会」(主催:宮前区社会福祉協議会 ボランティア活動振興センター)の受講者9人が中心になって、「みやまえエコー」を設立しました。当時宮前区には、音訳の活動をしているグループがありませんでした。「自分たちが暮らす地域に音訳物を届けたい」という思いが設立への原動力になりました。

毎年「音訳ボランティア体験会」を開催しています。講習修了後に「みやまえエコー」へ参加する受講者も多く、現在所属している会員は24名。会員は互いに研修・交流し、ひとりでも多くの人に必要な情報を届けたいと活動中です。
支援対象は、主に宮前区内在住の視覚による情報収集が困難な人のうちで、声による情報入手の希望者です。
(取材日 2023年1月16日)


活動内容について

以下を活動の主軸としています。

「みやまえエコー 声のたより」製作と郵送

・宮前区内の各種広報誌を音声情報にしてほぼ毎月お送りします。
・会員がお薦めする本や映画、お役立ち情報などを紹介しています。
・専用ソフトを使い作成した音声情報に変換したものを、自然に聞き流すことができるように編集します。
・いくつかの音訳ファイルをCDに入れ、登録している視覚障害者に郵送します。

編集作業

音訳技術向上の勉強会 (毎月1回)

定例会の日に、音訳の練習、読み方の学習、編集の方法などの勉強を重ね、レベルアップをはかっています。

令和4年1月 Zoomで勉強会

対面によるリーディングサービス

・ご相談により、希望の本や機関誌などを、個人のお宅や施設などにうかがい、対面でお読みします。
・CDや音声ファイルでの対応を検討します。

初心者向け音訳ボランティア体験会

・声で情報をお届けすることの大切さを理解し、音訳するための知識・技術等を学ぶ初心者向けの体験会を、毎年1度開催しています。
・開催は、川崎市宮前区社会福祉協議会発行の「みやまえの福祉」への掲載、チラシ、みやまえエコーのHP・インスタグラム、Facebookでお知らせします。

令和4年10月 体験会の様子

関係諸団体との連携、イベント参加

・川崎市視覚障害者ボランティア連絡会「オブリガード」に参加しています。
・川崎市視覚障害者情報文化センター主催の「アイeyeセンターまつり」に参加し、朗読ミニライブ、宮前区まちづくり協議会主催の「ラブみやまえ」での体験会などを実施してきました。

勉強会で互いに学び続ける

毎月開催している定例会、勉強会。取材日には、前半1時間で連絡事項や活動の報告などを行いました。後半1時間は、勉強会でした。会員の大久保正克(おおくぼ まさかつ)さんが講師となって、「数詞・助数詞(じょすうし)の取り扱いについて」を学びました。勉強会のテーマは毎回会員にとって必要な内容となっています。
会員の皆さんは、音訳ファイルの録音、作成、オンラインストレージを使ったファイルのやり取り、zoomなど、デジタルツールを活用しています。
けれど、当初はメールが使える程度という人がほとんどだったとのこと。「みやまえエコー」参加後に、楽しく、やりがいを感じて取り組みながら、勉強会で習得されたそうです。参加者にたずねると、「やりがいがある」「勉強になる」「自分の時間を役立てられて嬉しい」「言葉って面白いと感じています」「新しい世界が開けました」などの答えが返ってきました。

定例会の様子

「みやまえエコー」の活動の広がり

代表の西尾有紀(にしお あき)さん、副代表の外山ゆみ子(とやま ゆみこ)さん、当日の講師担当の大久保正克さんにお話を伺いました。

西尾さんのお話

「ボランティア活動は、それぞれができる範囲で、できることをやっていただく、それが活動を長続きさせる上でとても大切だと考え、誰もが無理なく参加できるように、役割なども分担しあっています。
コロナ禍ではイベントが減り、皆さんにこの活動を知っていただく機会も減りましたが、フェイスブック等のSNSを活用するようになりました。定例会・勉強会もzoomで取り組みました。むしろ場が広がったとも言えますね。
2022年秋に宮前区社会福祉協議会から表彰されました。私たちの活動の成果が認められ、頑張ってきた甲斐があったと、とても嬉しいです。
ボランティアさんも、利用者さんも、まだまだ増えて欲しいです!これからも頑張ります!」

外山さんのお話

「3年前、たまたま講習会のチラシを見かけて受講し、それがきっかけで活動に参加するようになりました。仲間の皆さんとの交流も楽しく、参加してよかったです。
以前イベントで、リスナーさんと対面で朗読ライブをしたとき、反応を目の当たりにして、とても感激しました。とても嬉しかった思い出です」

大久保さんのお話

「最近はイベント開催が復調して、活動を知ってもらう機会が増えました。会員も増えてきて、嬉しく思っています。
これからも皆で学びを深め、スキルアップして、みやまえエコーとして質の高い音訳を目指していけたらいいなと願っています」

活動日及び活動場所など

・定例会・勉強会:通常は、毎月、第3 月曜日 午前10時 から 12時
・活動場所:宮前福祉パルみやまえ
〒216-0033 川崎市宮前区宮崎2-6-10 宮崎台ガーデンオフィス4階 福祉パルみやまえ
(東急田園都市線 宮崎台駅北口より徒歩5分)
・入会金:なし、会員年会費:1000円

今後の「みやまえエコー」の発展が期待されます。

「みやまえエコー」
メールアドレス:miyaecho.info@gmail.com
ホームページ:https://miyamae-echo.wixsite.com/miyamae-echo/home
活動の様子(動画):https://youtu.be/2ICpw5uJinM
問合せ:メール、ホームページにて受付

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