
居間のちゃぶ台を囲むような誰もが集まる居場所!~IDOBATA SPACE
幸市民館入口左側、喫茶室跡地利用で誕生した「IDABATA SPACE(イドバタスペース)」は、3方面がガラス張りで外観はまるで大きな水槽のような空間です。
図書館で本を借りた人たちや施設を利用した人たちが「何ができる場所かな?」とこの前を通り過ぎていきます。まるで居間のちゃぶ台を囲むような、誰もが集まる場所を目指し生まれた「IDABATA SPACE」。前の花壇は、ダイコンやじゃがいもを育てる畑にも変身します。
ここは、個人・団体問わず、小学生からシニアまでまちを元気にしたい人の提案を実現し、つながりと対話を生み出す場なのです。
(取材日 2024年10月8日、11月24日 レポーター 清水まゆみ)

3面がガラス張りで中がよく見える。前の花壇は畑に変身!(右)
ワクワクするコミュニティをつくりだしたい
「IDABATA SPACE」の運営は幸市民館コミュニティ推進事業実行委員会が担う形式で、2021年から利活用の検討が始まりました。元からあった喫茶室が閉店することに伴い、そのスペースをどう活用するかを市民と行政の実行委員会で検討が重ねられ、誰もが集まる居場所づくりを実行に移しながら現在に至ります。
閉店後の改修工事を終えた2022年から現在の「IDABATA SPACE」としてスタート。翌年にはイベント開催103回、延べ参加人数1989人を記録しました。
これは「幸区をおもしろくしたい。つい参加したくなるイベントや日替わりワークショップに気軽に足を運んでもらえる場をつくること」を追いかけてきた成果です。
仕組みは、「このスペースでやりたいこと」を市民がフォーマットに沿って提案し(*フォーマットを二次元コードで読み取る形式にも対応)、実行委員会で内容を確認後、提案者と数回面談し、告知や集客方法、運営やチラシ作成のアドバイスなどを重ねてやりたいことを実現していきます。スペースの利用は無料です。
確定したイベントや講座は、「IDABATA SPACE」のガラス面にある月がわりのカレンダーに記載され、チラシもここに掲示されます。



(毎月第4日曜日に開催)

花壇でダイコンを育てる
「IDABATA SPACE」の前には、L字型の花壇があり、秋冬はダイコンを育てています。
幸区には今、畑はほとんどありません。子どもたちが野菜を育てる、育つ様子を見る経験が少ない環境の中で「ここにダイコンのタネをまいて収穫体験はできないか」と活動の中心を担う実行委員長の齊藤岳至(さいとうたけし)さんらによりに発想されました。齊藤さんは、川崎7区の市民活動の運営団体ともつながりがあり、宮前区の農園で実施される収穫イベントなどを手伝ってきた経験がありました。
ダイコンは9月下旬にタネをまき、今年の残暑にもめげず、11月下旬には見事なダイコンが実りました。収穫の日(11月24日)には、タネまきをした親子がやって来て「ここ、僕がまいたダイコンだ」と嬉しそうに収穫。当日飛び入りの参加も受け付けました。図書館に来た親子が立ち寄り、収穫すると「今日はおでんだ!」と大騒ぎ。基本的には子どもたちが収穫しますが、お父さんもすっかりはまって「私もいいですか?」と一緒に収穫していきました。
収穫したダイコンは重さをはかり、重さのランキング発表も大いに盛り上がりました。1キロ越えのダイコンに「おみごと!」の掛け声がかかり、ベスト5入りを逃すと「残念!」との声でした。







「IDABATA SPACE」が生み出すまちのつながり
ダイコンのタネまきから収穫まで生育管理をしてきた運営メンバーの一人は「ここでダイコンを収穫して、図書館でダイコン料理の本や育て方の本を借りる、そんなつながりができたらうれしいです」と目を細めます。
幸区で生まれ育った実行委員長の齊藤さんは、幸区は7区の中で一番小さい区だからこそつながる楽しいまちのコミュニティが構築できると話します。たくさんある公共の施設を簡単に誰でも気軽に借りられてすぐに開催、実行に移せるスキームを当初から考えて運営しているそうです。何かをやってみたい、試したい人たちが、スタートを切る場所として育てていく面白さも嚙みしめながら、このスペースをハブとして「顔を見たことがある」「話したことがある」人を地域で増やし、災害時の避難所等で自然な助け合いが起きる幸区が理想と力強く未来を語ってくれました。

場所:川崎市幸区戸手本町1丁目11-2(川崎市幸市民館)
連絡先:044-541-3910
(幸市民館コミュニティ推進事業実行委員会事務局)
メール:88saisi@city.kawasaki.jp
以下URLから「IDABATA SPACE」の提案を事務局に送信できます。
https://logoform.jp/form/FUQz/677241