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ママの豊かな暮らしと幸せな未来を目指す Link mama

この記事は、2022年8月31日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。

(取材日:2022年7月13日・8月1日)


「子育てはひとりで悩まない」

リンクは英語で「Link」。名詞は「鎖」、動詞では「繋げる、連結する、関連付ける」という意味。「Link mama(リンクママ)」は、文字通りママとママ、ママと地域を繋ぐ市民活動団体です。

代表の永井和美さん(47)は、息子さんを出産した折、「子育ては母親の役目」という思いに囚われ、ひとりで育児を背負い込んでしまいました。体調を崩し、精神的にも追い詰められ、産後うつを経験されたそうです。

回復のきっかけは、夫や義母に相談し、協力を得て、出産前に行っていたフラワーアレンジメント教室を再開したことでした。自分が好きなことをして、それが誰かのためになる。その充実感は、悩んでいた子育てさえも、愛おしい時間に変えていきました。

自分と同じように悩み、苦しんでいるママたちにも、ひとやすみしたり、好きなことができたりする「場」を提供したいと、ママ友を中心とした仲間とともに、2018年5月「Link mama」を設立。同年9月から活動をはじめました。

活動理念は「ママの孤立をなくすため、ママとママ、ママと地域を繋ぎ、互いに学び合いながら地域の親子の暮らしと心が豊かになり、多くのママが幸せになるための活動を行う」。お母さんが笑顔で幸せにしていれば、その家族もきっと笑顔でいられる。その思いが骨子となり、多くのママから支持されています。

代表の永井和美さん

「地域子育て支援センター」の運営にも関わる

「Link mama」は麻生区千代ケ丘と柿生の「地域子育て支援センター」で、子育て支援活動にも関わっています。

千代ケ丘の「ちよきっずくらす」、柿生の「くっぴーの部屋」は、いずれも近隣の保育園、麻生区役所、地域子育て支援センターとの連携事業として、栄養士による離乳食講座や、保育士による育児相談などを行っています。これらは毎週地域の「子ども文化センター」の一室で開催されています。

上記の取り組みとは別に、単独で「ママヨガ」、「ベビーマッサージ」、ママを対象とした「ものづくり教室」、サッカーチームのコーチを招いての「サッカー教室」なども行いました。麻生区の若手農家が集まったグループ「畑から、台所へ。」とも連携し、離乳食から大人のおかずまで、野菜の皮、葉、実を全て使った料理教室も実施。そのほか、子どものための「読み聞かせ」、親子向けのコンサート、クリスマス会など、利用者と一緒につくり上げるイベントも行っています。

子育て支援センターでのサッカー教室

ママとママ、ママと地域を繋ぎ、互いに学び合う

2022年8月現在、「Link mama」の会員は139名。ワークショップ(以下WS)出店や講座で講義をする「ティーチママ」が24名。イベント時や地域子育て支援センターで子どもたちのお世話をする「シッターママ」が5名、WSや講座に参加する「マナビーママ」110名で構成されています。

WSは、地元のレンタルスペースなどを利用し、保育付きで催されます。同じ会場で数種のWSを開催することで、幅広いターゲットを呼び込め、集客も確保できます。シッターママがいるので、出店者も子どもを連れて来られるうえ、来場者も安心してWSに参加したり、ネイルや小顔セラピーなどの施術を受けたりできます。

小さくなった服を大きいサイズと取り替えられる「服の交換会」。読み終わった絵本の譲渡会なども実施しています。

年配者や役所の担当者も来場し、気軽に情報交換ができるのも魅力です。地元で開催することで、互いに顔の見える関係が生まれ、交流ができます。教わり、学びながら、「私も誰かの先生になれるんじゃないか」と一歩踏み出す勇気をもらい、新しい可能性に気づくこともあります。

親子で参加できるワークショップが多い

課題解決のために、川崎プロボノ部を活用

やりたいこと、やるべきことが多くなるにつれ、課題も増えました。当初は企画から実施までを永井代表ひとりで担っていましたが、ひとりでは処理しきれないケースも出てくるようになり、2021年、「川崎プロボノ部」に相談団体として応募。プロボノワーカーと一緒に課題解決を目指しました。

具体的には、仕事の分担を明確にするように指導されました。また、イベントの申込は専用アプリで管理するアイデアをもらったほか、定期的にオンラインミーティングを行い、会員同士の意思の疎通を図るようにしました。現在は、副代表の藤井恵子さんと、大村純子さんと共に、いくつものチームを統率して柔軟に活動できるようになりました。

左から大村純子さん(副代表)、永井和美さん(代表)、藤井恵子さん(副代表)

さらなる繋がりへ。企業とのコラボレーションも積極的に

ママとママだけでなく、ママと地域、地域企業との連携も積極的に行っています。

小田急電鉄株式会社とは、新百合ヶ丘駅周辺のオンデマンド交通「しんゆりシャトル」の実証運行に協力して体験乗車を行い、小田急不動産がインターネットや車内で放映している宣伝動画にはLink mamaの会員も出演。2022年12月には麻生区黒川で「森のアートと癒やしの空間」というイベントの開催を予定。近隣大学との連携も企画しています。

また、綾瀬市の鉄製部品製造会社による自社ブランドの調理器具を、実際にママたちが使用し、そのレシピをブログでの発信も行いました。使う野菜は、前述の「畑から、台所へ。」のお墨付きのもの。しんゆりフェスティバルマルシェにも出店してもらうなど、ママたちが架け橋となって異業種がつながっていきました。

永井代表に聞く:今後、どのような活動をしていかれますか

「麻生区だけに限定せず、県内外、SDGs活動など、垣根を超えて繋がっていきたいと思っています。理想としているのは、現代集落『100年後の豊かな暮らしを実験する自給自足の村作り』(石川県珠洲市の取り組み)プロジェクト。珠洲市はとても自然が豊かなところで、そこでの暮らしこそがSDGsそのものを体現しています。珠洲市と繋がることによって、10年後、20年後の新百合ヶ丘が『豊かに暮らす』ことにならないでしょうか。小さいことにもこだわり、未来を幸せに暮らしていくための取り組みを、周囲の人たちと一緒にやっていきたいと思っています。

リンクママだけで動くことには、限界があります。近隣の企業や行政とも連携して、より心が豊かになるような活動をしていきたいです。リンクママと一緒にこんなことがやりたいという方、団体からのお声がけをお待ちしています。」

上麻生のコミュニティカフェでWS開催

この取組に関する問い合わせ

Link mama(リンクママ) 代表 永井和美
linkmama2018@yahoo.co.jp
https://link-mama.jimdosite.com/

川崎市コミュニティチャンネル(YouTube)でリンクママの特集をしています!
https://youtu.be/XFx3J9-GG18

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