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着物リメイクデザイナー あきやま幾代さん日本の美を活かし着物をオシャレに変身させる!

「私が表現したいものを追求してきたら、このような形になりました」
服飾デザイナーとして実績を上げている中、着物リメイクへと方向転換し、現在川崎市民プラザ、宮前市民館他で「着物リメイク講座」を開催している、あきやま幾代さん。
川崎市民プラザで講座受講生の作品展示中のあきやまさんに、これまでの道のりなどを伺ってきました。
(取材日:令和6年3月3日 取材:山田知子)


服飾デザイナーとして、パリで仕事をしていました!

私は文化服装学院で服飾デザインを学びました。卒業後、アパレルメーカーの鈴屋に勤務して、洋服のデザインをしていたんです。入社2年目に鈴屋としては初の海外進出である、パリ支店をオープンすることになって、オープニングスタッフとして渡仏しました。
言葉も覚えなくてはいけないし、小人数ですべてをやらなくてはいけないですからとても大変でしたが、ファッションショーのプロデュースも経験することができました。
パリに住んだのは2年間でしたが、その後も行ったり来たりしながら、延べ5年間パリ支店の仕事をしました。とてもやりがいのある仕事でした。
パリにいるときに結婚し、日本に帰って、入社10年目に退職したのです。随分慰留もされたし、私自身心残りがないとは言えませんが、育児はそのときしか楽しむことができません。しばらくは家庭に専心。専業主婦になりました。そのころは伊豆で暮らしていて、子どもの成長につれて、洋裁教室を開いたりしていました。

リメイクのきっかけは母の着物

やがて、育児も家庭も一段落して、自分の仕事がしたいと思うようになりました。その時に心に浮かんだのは母の着物です。母から着物をたくさん譲り受けておりました。それらを活かしてやりたくて、リメイクで洋服を作ってみたのですが、どうにも布に鋏を入れることが辛くてたまりません。
無碍に切るのではなく、元の布をそのままに、着物の直線を活かしたデザインにしてみよう。すると素敵な作品が生まれました。そのデザインが雑誌などでも取り上げられ、注目を浴び、ファンもできたし、作品も売れるようになったし、注文も来るようになったのです。今から25年以上も前のことです。

時代の移り変わりに影響され、方向転換を決意

そのころ、伊豆からたまプラーザに住まいを移しました。リメイクという手法が、エコロジーを尊重する風潮にあっていたのでしょうか、とても順調に仕事を展開することができました。けれど、バブルが崩壊し、大きな災害が続く中で景気が低迷しはじめました。そんな厳しい時代になって、作品を作るのも営業するのも販売するのも、一人でやっていくことに無理を感じるようになってきたのです。
では、作品を制作して販売する部門を切り捨てよう、教えることに専心しよう、そうやって乗り越えていこうと心を決めたら、まるでタイミングを合わせたようにカルチャーセンターから「講座を開いてみないか」と声がかかりました。
もちろん喜んでお引き受けし、試しに単発の講座を開いてみたら、大好評。単発講座を何度かやりましたが、すべて満席の申し込みをいただき、受講生に喜んでいただけたのです。

受講生の作品

講座は宮前市民館、市民プラザに広がっていきました

その後、川崎市民プラザでも講座を開かせていただくようになり、さらに2023年に宮前市民館のギャラリーで展示会を開催したら、とっても評判がよく、こちらでも講座を開かないか、と勧められたんです。私、勧められるとすぐにやってしまう性格なんです。お蔭様で、今では宮前市民館と市民プラザで教室を開かせていただいています。川崎で講座を開くようになって今年で9年目になりますが、ずっと長く続けてくださっている方も多いです。
一人一人の生徒さんと、丁寧に向き合うように心がけているため、講座は小人数にしています。向き合って、その方に合ったデザインを考えて、共に創っていくのは、ワクワクと楽しくて、幸せです。

自身の作品とあきやまさん

古い着物、眠らせておくのはもったいない

あちこちのご家庭で着物がタンスで眠っているという状況がとても多いのです。もったいないですね。着物は畳んでおけば嵩張らないし、何度でも縫い直しが出来る。無駄のない、とても素晴らしい日本の文化です。それを多くの方にお伝えしていきたいですね。
着物の布地をそのまま使うわけですから、縫うのも直線です。手縫いでもミシンでも、とても簡単です。初めての方でも、2回の参加で1着が仕上がります。1回目でデザインを決めて縫い方をお教えして、家で縫ったものを2回目で仕上げます。
これからも今の規模で、一人一人に丁寧に対応できる講座やレッスンを続けていきたいと思っています。

受講生の声

・お出かけするときも、家にいるときも、ほぼ毎日自分が創った作品を着ています。
・教室に来るのも楽しいですが、家で縫っているのも楽しくて。とにかくリメイクを始めて毎日にハリができました。
・先生のお人柄が良くって、そういう点でも学ぶことが多いです。
・作った作品が増えてきたので、最近は洋服を買わなくなりましたね。

「いつも着用しています」受講生の作品(川崎市民プラザ)

取材を終えて

きっといつも周りを明るく照らす方なのでしょう。彼女の周りには明るい光が満ちているようで、遠くにいてもすぐに見つけることができます。川崎市民プラザ、宮前市民館どちらの受講生からも「とにかく楽しい」「先生のお人柄に惹かれて」という感想がとても多かったです。取材中も素敵な笑顔で気さくな話しぶりに、すっかり魅せられました。

着物リメイクデザイナー あきやま幾代
◎川崎市宮前市民館「着物リメイク・サークル」
月2回 第2・第4月曜日午前中
◎市民プラザ
「着物モダンリメイク」 短期講座 年2回(各6回)
◎アトリエ個人レッスン 田園都市線たまプラ―ザ
お問い合わせ:kinuawase@gmail.com

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