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「0円交換会 ぐるりかわさき」インタビュー「まごごろキッチンプロジェクト」代表 小野さくらさん

この記事は、2022年5月29日に協働・連携ポータルサイト「つなぐっどKAWASAKI」で公開されていたものを転載したものです。

2022年4月29日のゴールデンウイーク初日、麻生区市民交流館やまゆりにおいて、「0円交換会 ぐるりかわさき」が開催されました。このイベントのまとめ役である「まごごろキッチンプロジェクト」の代表・小野さくらさんにお話を伺いました。
(取材日:2022年5月7日)


まごごろキッチンプロジェクトとはどんな団体ですか

「もしも」の災害時に対応できるように、飲食店だけではなく、地域の人々も「おいしく」「楽しく」備蓄することを考え、互いの絆を深めていこうと立ち上げた団体です。
きっかけは、2017年2月に福井県を襲った大雪のニュースでした。夫が飲食店を経営していたことから、災害時に店ができる範囲での食事や居場所の提供などを考えました。そこで思いついたのが、「災害時に提供できる店」への参加呼びかけと、店頭表示ステッカーの制作です。2018年4月に、5人の仲間とスタートしました。

「0円交換会ぐるりかわさき」のポスター

「0円交換会 ぐるりかわさき」とは、どんなイベントですか

基本的に全て0円で、「地域で多世代が物々交換を通して、人や物をぐるぐる繋げていこう」というコンセプトです。単なるバザーとは違い、自分や家族の必要なものを、お金をかけずに交換しようという意味もあります。
今までの活動を通してつながりがあった7つの市民団体のリーダーたちと「ぐるりかわさき実行委員会」を立ち上げ、意見を出し合った結果、リサイクルの服や絵本をメインに缶詰などの備蓄食などを「持参した数だけ交換、持ち帰り」という画期的な試みとなりました。着られなくなった子ども服を持参して、少し大きめの服に交換、多めに備蓄していた缶詰を食べたことがない別の缶詰と交換、赤ちゃんの絵本を年齢に応じた児童書と交換…といったことができるのです。これを「ぐるぐる備蓄」と称して、自宅にある物を整理しつつ、どんどん未知の物との出会いを楽しんでいただくことができました。自作のアート作品、料理レシピ等を持参した方もいらっしゃいました。
また、お絵かきブースでは、誰かの絵の上に他の子どもたちがどんどん加筆していき、まさしく「ぐるぐる繋がった!」と感じられましたね。本当に、私たちスタッフたちも楽しいイベントでした。

食材などの備蓄品を交換
不要な洋服を交換

「0円交換会 ぐるりかわさき」開催までの変遷とコロナ禍

2019年2月の「防災用非常食アルファ米のおにぎり」の発表と試食を皮切りに、乳幼児のママ向けの防災食育教室や、一般向けの災害への適切な備え、携帯トイレの使い方や備蓄食についての講座も開講しました。しかし残念なことに、コロナ禍で、2020年は活動がほとんど不可能になりました。2021年の春頃から少しずつですが活動を再開し、2022年4月23日には、管理栄養士さんを講師に迎えて「春の季節の防災料理講座」、29日には今回の初の試みである「0円交換会 ぐるりかわさき」を開くことができました。
このような、少し目線を変えたイベントを開くことができたのは、コロナ禍の影響も大きいですね。コロナ禍でイベントが開けず、人と人とのつながりが希薄になってしまっていた中でも、災害時に役立つイベントを望む声は絶えずありました。そこで、防災について考えるきっかけとなりつつ、つながりを生み出せるようなイベントができないか、と考え、実現したのが「0円交換会 ぐるりかわさき」だったのです。

絵本も交換できる

これまでのこと、これからのこと

団体を立ち上げて4年になりますが、自粛期間中も細々と1年間続けてきた活動があります。毎月第1日曜・朝のラジオ体操と午後の「子どもお料理教室」です。ラジオ体操は8時半から新百合アートパークスで、料理教室は麻生区か多摩区の市民館で開催しており、毎回人気です。何を作りたいか子どもたちの意見を取り入れ、旬の川崎野菜を使っていることが、きっと美味しい料理が作れるコツですね(笑)。賑やかすぎて騒がしい料理教室ですが、積極的に取り組む小学生の姿は実に見事ですよ。毎回やりがいを感じています。
今までのイベントの中で、印象に残っているのは2つ、麻生区の子ども向け防災マップ作りと介護施設で紹介した災害時ポリ袋調理法です。前者は、子ども目線で歩くことで、車ではわからない近道など大人にとっても発見がたくさんありましたし、後者は、介護士から「非常時に役立つ」との感想をいただくとともに、高齢者からは「早くて美味しい」と嬉しいお言葉をいただきました。また、この調理法は、被災時に高齢者だけでなく、赤ちゃんの離乳食にも通じるとの発見がありました。弱者に寄り添うことは、防災にも介護にも同じであると確信したので、今後は防災を福祉に浸透させていきたいと考えています。
これからの予定ですが、4月の「春の防災料理教室講座」は、夏、秋、冬と続けます。災害時に冷蔵庫の食材を使い切る、季節野菜と合わせるレシピを考案中!冊子も作って配布予定です。「0円交換会 ぐるりかわさき」も色々な場所で開催予定です。
最後に、コロナも災害のひとつです。この経験から、子どものうちから「自分の身は自分で守る」ことを学ぶ必要を感じています。私の夫は「子どもの防災教室」を高津区で開いているので、そちらも見に来てくださいね!

小野さくらさん

<問い合わせ>
https://magokoro-kitchen.org/
season3of2cherry0blossoms@gmail.com


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